年末になると、日本では新年に発売する「福袋」の情報が出回ります。あなたの国ではLucky BagやMystery Bagと呼ばれているものです。実は日本発祥だったって知っていましたか?

起源は諸説ありますが、歴史を遡って江戸時代、現在の三越デパートの前身である越後屋が、恵比寿講(商売繁盛を祈願する行事)の時期に、「恵比寿袋」として販売したものが元だとか。越後屋は有名な呉服店ですから、裁断して余った着物の端切れがたくさん出ます。それらを詰め込みお得に売ったのが始まりだそうで、のちのちそれが「福袋」として百貨店やデパートでお正月に販売するものとして定着していきました。

これだけ聞くと、「たとえお得だからって、売れ残りや余りものに福なんてつけるの?」と思うかもしれません。でも日本には「残りものには福がある」という諺があります。意味は、誰かが取り残した物の中や、最後に残った物の中には、思いがけなく価値のある物が残っているということです。実際はどうなのだろう……とは思いますが(笑)、物を選ぶときに我先にと相手を押しのけるよりも、他人に譲る広い心を持てたなら、その行動が、あとで自分を好きでいられる理由になると思うのです。私はそういう解釈をしていて、好きな諺のひとつです。たとえば、ホールケーキを切り分けるとき、自分の分が最後に残った一番小さいケーキだったら、その諺は、先に選んだ相手には優しく、なおかつ自分を納得させるのにも役立つ言葉だな、と思います。

福袋の話に戻りますが、最近は、ネットやSNSですぐに中身や口コミが見られる情報社会です。「失敗した買い物をしたくない」と思う気持ちが、以前より強くなっているように感じます。その結果、何が入っているか分かる福袋が増えてきたのではないでしょうか。サプライズが減って少し寂しい気もしますが、不要な物を買って結局使わないよりは合理的ですし、これも時代の変化ですね。実際、私も今年は中身の見える調味料の福袋を買いました。普段自分では買わないスパイスなどが入っていて、それを使って料理の幅が広がりました。もしかしたら残り物かもしれませんが、しっかり福を受け取っています。

日頃、子供たちに「無駄なものは買わないよ!」と口を酸っぱくして言っている私でも、やっぱりわくわくしてしまう、年に一度の福袋のお話でした。