日本語習得者のアンケートの中には、「話すのや聴くのは割と簡単だけど、読み書きはうんと難しい!」という結果が多いので、日本語学習をする前にその理由を簡単に知っておきませんか?心構えや、何に重きをおいて学べばいいのかが変わってきて、ラクになったり、学習期間が短くなるはずです。

まずは話す/聴くが比較的簡単な理由から考えていきましょう。

発音がシンプル

日本語の音節(母音と子音の組み合わせ)はたいへんに規則的で規則以外の例外がほぼありません。英語やその他の言語と比べて発音のバリエーションが少なく規則だけ学んでしまえば、忘れてできなくなることはないし、もう一度聴く必要がないくらいです>もちろん聴いてその場で納得できればそれに越したことはないですが。

母音 あいうえおに子音を組み合わせたものでか行であればk + a =ka という発音になり、五十音表通りで問題がありません>「ん」以外は。

ゆえに、日本語の発音は、110音となっており、この五十音表以外にも濁音:がぎぐげご・ざじずぜぞなど、半濁音:ぱぴぷぺぽ これは口唇破裂音とも呼びます。拗音:きゃきゅきょ・しゃしゅしょなど、や促音:っ という音で詰まらせる、英語でいうところのLinkingが起きている言葉に使うものがあります。がっこう・キッチンなど。

全部合わせても英語の1050音から比べるととても少なく、発音するのは割と簡単だからなのです。

文法が規則的

英語のような複雑な時制変化や、主語による動詞の変化がほとんどありません。基本的な語順のパターンや助詞の使い方は一貫していますし、どこに何を入れるかの語順もかなりシンプルです。

たとえば英語では時制が16ありますが、日本語は2つの非過去と過去で、英語に当てはめると、現在形・現在進行形・過去形・過去進行形の4つがマッチしている部分です。

英語の前置詞は日本語に直接訳せるものが少なく、概念として理解しないと「の」「は」「が」「も」など、複数に渡って使えてしまい、意味が似て異なるものと同じだがニュアンスが変わるものなど細かいですが、日本語はかなり大雑把です。

聴き手のほうが細かい部分を察してくれる文化なのです。

日常会話はシンプル

丁寧語や謙譲語といった敬語体系は複雑ですが、友人との会話など、カジュアルな日常会話であれば、基本的な文法と語彙で十分にコミュニケーションが可能で、省略が多く、示す意味の幅が広いものが多いので、理解されやすく、むしろ聴き手が解釈してくれることが日本人同士でも「当たり前」になっています。

では、読み書きが難しい理由は何でしょう?

複数の文字体系:

日本語は主にひらがな、カタカナ、漢字という3種類の文字を同時に使用します>別コラムでこの詳細については書いてありますので、読んでみてください。

ひらがなとカタカナ(合わせて約100文字)は表音文字なので覚えやすいですが、漢字は何千もの文字があり、それぞれに複数の読み方と意味が存在するため、習得に膨大な時間と労力が必要です。

膨大な漢字の数: 新聞などを読むため、5世紀から7世紀に中国大陸から渡ってきたものをそのままにせず、ひらがなができ、その後カタカナができたのですが、漢字もまた使ってきたため、数は膨大です。

常用漢字 (じょうようかんじ):法令、公用文書、新聞、雑誌、放送などで使用される漢字の目安。現在の表は平成22年(2010年)改定の2,136字(4,388音訓)。

教育漢字(学習漢字):小学校で学ぶ漢字。常用漢字の一部(1,026字)。

人名用漢字:常用漢字のほかに、新生児の名前に使える漢字(約863字)。

当用漢字 (とうようかんじ):1946年(昭和21年)に告示された1,850字。1981年に常用漢字へ移行し廃止。

その他の漢字:旧字体、略字体、JIS漢字(コンピュータ用)、康煕字典(約5万字)など多様な漢字が存在。

さて、みなさんは話せるようになったあと、読み書きはどの程度までできたらうれしいでしょうか?アニメに出てくるくらい?仕事に使えるくらい?現代の日本人がきちんと使えない漢字が読めたらかっこいいですよね。そんな日がいつか来るかもしれません。