カタカナは、平安時代初期に漢字の一部を切り取ることで誕生しました。
もともと日本には文字がなく、中国から伝わった漢字を日本語の音に当てはめて使っていましたが(万葉仮名)、より速く、便利に書き留めるために簡略化が進んだのがきっかけです。
カタカナが生まれた背景と主な特徴は以下の通りです。
1. 誕生の目的:経典や漢文のメモ
- 当時、僧侶や学者が漢文や仏教の経典を日本語として読む際(訓読)、行間の狭いスペースに読み方や送り仮名を書き込む必要がありました。
- 省スペース化: 万葉仮名をそのまま書くと場所を取るため、漢字の一部だけを抜き出して記号のように使い始めました。
- 速記性: 難しい漢字をすべて書く手間を省き、素早くメモをとるために発達しました。
2. 成り立ちの違い(カタカナ vs ひらがな)
- カタカナとひらがなはどちらも「万葉仮名(漢字)」が元ですが、作り方が異なります。
- カタカナ: 漢字の一部(片方)を取ったもの(例:「伊」の偏から「イ」、「宇」の冠から「ウ」)。
- ひらがな: 漢字全体を草書き(くずし書き)にしたもの(例:「安」をくずして「あ」)。
3. 主な使用層と役割
- 使用層: 主に僧侶や学問に携わる男性の間で使われました。
- 公的な位置づけ: ひらがなが主に和歌や手紙などの私的な場面で使われたのに対し、カタカナは学問や公式文書の補助として重宝されました。
このように、カタカナは「漢字を日本語で効率よく読み書きするための補助ツール」として発明された、日本独自の非常に機能的な文字です。
江戸時代の儒学者・新井白石は、鎖国下において『西洋紀聞』を著し、イタリア人宣教師シドッチから聞き取った外国の地名や事物をカタカナ表記で記録しました。これにより、外来語を日本語として受け入れる際のカタカナ表記が定着し、西洋事情を理解するための基礎が築かれました。
新井白石の業績とカタカナの関係
- 西洋事情の記録: 白石は、日本に潜入したシドッチの尋問記録を『西洋紀聞』にまとめ、外国の地名、文化、宗教などをカタカナ(および漢字の当て字)で正確に記録しようと試みました。
- 外来語の受容: それまでの曖昧な表記とは異なり、外国語の音をそのままの音に近いカタカナで表記するスタイルを確立しました。
- 多才な研究者: 白石は歴史・言語学の分野でも『東雅』などの著作を残しており、言語に対する関心も高かった。
新井白石は、儒学者としての知識だけでなく、当時の最先端の情報であった西洋事情を記述する上で、カタカナという文字体系を有効に活用した人物です。
気づきましたか?日本ではカタカナにするものは「外来語」が多いのです。ほぼ9割がたは外来語をその音を尊重しつつ日本語に取り入れたものです。新井白石の時代からなので、江戸時代、長崎・平戸に受け入れた物の名前や事などはすべてカタカナ表記になりました。今もそれは変わらず、です。人物の固有名詞もカタカナになっちゃうんですよね。(◎_◎;)