どんど焼きって知っていますか?

「きっとおいしい料理だよね!」と思ったあなた、実は食べものではありません。どんど焼きは、小正月と呼ばれる1月15日ごろに行われる日本の伝統行事で、お正月に飾ったしめ飾りや門松、書初めなどを焚き上げます。地域によって呼び方や形式は異なりますが、藁や竹で作った大きなやぐらにそれらを入れ、火をつけるのが一般的です。

子どもの頃の私にとって、どんど焼きは楽しいだけではない、少し特別な行事でした。クリスマスから始まり、年越し、お正月と続いた楽しい時間が終わり、日常に戻っていく。その区切りとなる行事だったからです。一抹のさみしさを感じつつも、藁でできた大きなやぐらの中で、古い達磨やしめ飾りが轟々と燃える様子を見ると、不思議と心がすっきりしたのを覚えています。

ただ、これはもう30年ほど前の思い出です。私の地元では、今はどんど焼きは行われていません。少し残念ではありますが、場所を提供する人や、準備・運営を担う人が少なくなっているのが実情なのでしょう。伝統行事を続けるには、思いや理想だけでなく、多大な労力が必要なのだと感じます。

最近では、どんど焼きを実際に目にする機会はほとんどなく、テレビのニュースで見かける程度です。どんど焼きを見ると、懐かしさや切なさとともに、続けることの難しさ、そして今も続けている人たちへの頼もしさなど、さまざまな感情が湧いてきます。今は、どんど焼きを知らずに育つ子どもも増えていると思いますが、伝統行事は子どもの頃に体験するのと、大人になってから学ぶのとでは、心に残るものが違うのではないでしょうか。日々の生活の中にある文化として、いつか子どもたちと一緒にどんど焼きに参加できたらいいなと思っています。

どんど焼きで燃やすものは、「燃やして捨てる」のではありません。感謝の気持ちを込めて浄化し、神様のもとへ返すと考えられています。ひとつひとつに意味が込められた、日本の大切な文化です。焚き上げの煙にあたると一年を無病息災で過ごせるとも言われています。もしその貴重な機会に出会ったら、ぜひ参加してみてくださいね。